本記事では自然環境と人間活動の調和をつくる専門家『環境アセスメント士』資格の活躍事例や取得の仕方について解説しています
環境アセスメント士とは
環境アセスメント士は、きれいごとだけではない、真の環境問題の専門家とも言える、環境アセスメントに特化した技術者資格です。その専門分野によって、生活環境部門と自然環境部門の2つの部門に区分されています。この資格制度は、環境アセスメント実務の適切な実施と環境アセスメントの信頼性向上に資することを目的としてつくられました。
環境アセスメント士は、環境アセスメントに関する調査、予測及び評価の実施、環境保全措置の検討、環境影響評価図書の作成・支援、手続等の実務を行います。
![環境アセスメント制度のあらまし](https://sus-insights.com/wp-content/uploads/2022/08/環境アセスメント制度-500x451.png)
そもそも環境アセスメント制度とは
交通の利便性から道路や空港を新たに作ったり、水の利用や洪水の調整のために、ダムや導水路を造るなど、人が豊かな暮らしをするために必要な開発事業をおこなうとしても、環境に重大な影響を与えてまで実施することには問題があります。開発事業による重大な環境影響を防止するためには、事業計画の内容を決めるに当たって、事業の必要性や採算性だけでなく、環境の保全についてもあらかじめよく考えていくことが重要となります。このような考え方から生まれたのが、環境アセスメント(環境影響評価)制度です。
開発事業の内容を決めるに当たって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて、あらかじめ事業者自らが調査・予測・評価を行い、その結果を公表して一般の方々、地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえて環境の保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていこうという制度です。
環境アセスメント士の働き方
環境アセスメント士は、「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格登録規程」(平成26年国土交通省告示第1107号)に基づく「技術者資格」に登録されました。この制度は、民間事業者等が付与する「技術者資格」を国土交通省が登録し、活用する取り組みです。
環境アセスメント士は建設環境分野の調査業務の管理技術者資格として登録され、国及び地方公共団体の業務発注に際し、総合評価での加点評価など、今後ますますの活用が期待されています。
多くの環境アセスメント士は、環境コンサルタント、建設コンサルタント、建築設計事務所、総合建設業等の企業に所属し、環境アセスメントおよび環境保全に係わる業務を行っています。また、環境アセスメントは、急速な技術の変化が伴う分野です。確かな知識と技術の修得のため、資格認定団体である一般社団法人日本環境アセスメント協会及び資格者の集まりである環境アセスメント士会では、定期的にセミナーや勉強会をおこない、自己研鑚に努めています。
資格の取り方
資格の取得方法は、一般社団法人日本環境アセスメント協会が実施する資格認定試験に合格したうえで、同協会に登録する必要があります。
![日本環境アセスメント士会](https://sus-insights.com/wp-content/uploads/2022/08/日本環境アセスメント士会-500x285.png)
この資格は、以下の2つの部門に分けられています。
・生活環境部門…廃棄物、温室効果ガス、水環境、土壌環境、大気汚染、
・自然環境部門…動物など生態系、景観、植物
資格認定試験は年1回。例年11月下旬に東京と主要都市数か所で実施されます。筆記試験で問われる内容は業務経験と上記部門に関わる広範な専門知識です。
- 環境アセスメント法制度、手続き等に関する事
- 各専門とする部門の環境の調査
- 分析、予測及び評価、環境保全措置等に関する事項
- 環境影響評価図書類の作成・支援に係る事項
- 環境アセスメント関係実務の管理技術に関する事項
- 技術者倫理に関する事項
受験資格は四年制大学卒業者は実務経験5年以上、大学院修了者は実務経験3年以上、その他の者は実務経験8年以上とされています。受験者数・合格率は開始当初は約50%の合格率となっていましたが、最近では70%程度で安定しています。協会が実施する研修会や発行するテキストを中心に勉強すればそれほど難しい試験ではないでしょう。
環境アセスメントの合格率
一般社団法人日本環境アセスメント協会が発表したデータによると、2023年度(令和5年)生活環境部門 の受験者数:14名 合格者数:9名 合格率:64.3%でした。また、自然環境部門 の受験者数:43名 合格者数:29名 合格率:67.4%でした。
資格登録の有効期限は5年間で、更新には更新手続き(継続教育制度 CPD単位の取得)が必要です。受験資格等詳細はホームページをご参照ください。
環境アセスメント士に向いている人
環境アセスメントは、専門とする分野についての高度な知識が求められるとともに、法制度や手続き、合意形成等広範な知識と能力を必要とし、さらには、事業者と地域住民、学識経験者等に的確に対応できるコミュニケーション能力、マネジメント能力が不可欠です。また、公共性の高い事業に係ることから高い技術者倫理を持つ人が望まれます。
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サステナブル・環境の業界においての活躍
環境アセスメント分野の資格としては、技術士(環境部門・環境影響評価)と並ぶ専門資格であり、入札時にも評価されますので実務面で重宝される資格と言えます。収入については、勤めている企業の雇用条件によって異なりますが、資格手当の対象としている企業もあります。ただ、環境アセスメント士の資格だけを持っているコンサルタントというのはほとんど聞いたことがありません。多くの場合は技術士資格などのその他の難関国家資格も取得しつつ、さらに環境影響評価に関する業務が増えてきて、さらなる知識の研鑽や人脈も含めたネットワークづくりなどに活かしたいといって取得されるケースが一般的でしょう。
社会を形成する重要なインフラ建設の裏には必ず環境アセスメントがあり、世の中の環境コンサルタント、とりわけ建設コンサルタントに属する人の多くは、この環境アセスメントに関連する仕事にほぼ確実に関わっていることでしょう。環境の仕事の代表格、と言っても過言ではありません。
環境アセスメントの対象となる事業は、
道路・ダム・鉄道・空港・発電所・廃棄物埋め立て処分場、埋め立て・干拓、土地区画整理事業、工業団地造成事業
などの13種類の事業+港湾計画に分類されています。
このうち、規模が大きく環境に大きな影響を及ぼす恐れがある事業を第一種事業であり、これに順ずる規模の事業を第二種事業として定めています。
![環境アセスメントの対象となる事業](https://sus-insights.com/wp-content/uploads/2022/08/環境アセスメントの対象となる事業-500x356.png)
具体的な事業を見てお分かりいただける通り、私たちの日々の暮らしに与える影響の大きな設備の開発には必ず環境アセスメントが行われています。これからも人間生活が続いている限り、新たな施設は建造されますので環境アセスメントと言う仕事も多少の景気の波はあっても今後も無くなることはない仕事です。
物議をかもす再生可能エネルギーのアセス
令和2年4月より、太陽光発電所の設置事業が法律対象事業として追加されたことが話題となりました。再生可能エネルギー発電事業は、長期的で安定的な将来の主力電源として持続可能なものとなるよう、大量導入に向けた取り組みを官民が一丸となって推進していく必要があります。
太陽光発電所は、日当たりの良い立地であれば比較的導入もしやすいため、全国的に急速に導入が進みました。一方で土砂流出や濁水の発生、景観への影響、反射光による生活環境への影響等が全国で問題視され、地元住民の強い反発に合う、といったニュースも見聞きされたことがあると思います。そうした背景もあり、太陽光発電所が法律の対象事業に追加されたのです。
![山間部太陽光発電](https://sus-insights.com/wp-content/uploads/2022/08/23612665_s-500x333.jpg)
太陽光に続き、現在急速に開発計画が進められている風力発電所についても環境影響評価の話題は尽きません。
①騒音・低周波音の問題
-風力発電所の近隣を中心に、地域住民が騒音・低周波音による健康被害の苦情等を訴える問題が発生しています。
②生態系の問題
-鳥類が風車の羽根(ブレード)に衝突する事故(バードストライク)に係る問題が発生しています。例えば、オジロワシについて、北海道内で判明している限りでは、風力発電設備へのバードストライクが最も多い傷病要因とされているのです。
※ オジロワシは、絶滅危惧Ⅱ類(環境省第4次レッドリスト)、国内希少野生動植物種(種の保存法)、天然記念物(文化財保護法)に該当。
![オジロワシ](https://sus-insights.com/wp-content/uploads/2022/08/オジロワシ-500x338.png)
その他、風力発電設備等の建設工事に伴う土地改変により、動植物の生息・生育環境が消失・分断されることや、水の濁りが発生することにより周辺環境への影響が生じる等の問題も全国で発生しています。
➂景観の問題
-風力発電設備は、相当の高さ(例えば、定格出力が 1,000kW から 2,000kW の風車の場合、タワーの高さは 60~80m、ブレードの直径は 60~90m が一般的)を有するとともに、稜線上、海岸、岬、高原、島嶼等、見通しの良い場所等に建設される場合が多いことから、景観に関する問題が発生しています。
![風力発電設備](https://sus-insights.com/wp-content/uploads/2022/08/風力発電設備.png)
その他にも、風車の巨大なブレードが回転することに伴い、ブレードの影が回転して明暗を作る現象(シャドーフリッカー)が発生し風力発電所の近隣において、地域住民がシャドーフリッカーの苦情を訴える問題が発生するなど、持続可能な電力を手に入れるために考えな変えればならない問題は山積しています。
こうした問題を乗り越える仕事こそが環境影響評価の実務者であり、環境影響評価とは次世代の社会を具体化するため、理想と現実の狭間に揺れる責任あるプロフェッショナルと言えるのではないでしょうか。
筆者自身もアセスメントに関わっていた時期もありましたが、実際に自然環境が好きでこの世界に入ったのに、自然を壊すことに加担しているのではないか、と悩む同僚も多く見てきました。なかには環境影響評価の仕事にはもう携わりたくない、という希望を出す社員もいました。一方で、開発しか目がない人間がやるのではなく、自分が悩みながらも良い仕事をすることで自然環境との調和を築いていくんだ!という使命感を持った社員が多いことも事実です。
実際に苦労を乗り越えて発電所などのインフラが出来上がったとき(あるいは分厚い報告書)の達成感は感慨深いものがあります。
![](https://sus-insights.com/wp-content/uploads/2023/10/aokiprofile-1.png)
近年の環境アセスメントの高度化・多様化・国際化の進展、地球環境保全意識の広がりによって、環境に関する専門家への期待が高まっており、環境アセスメントを実施するにあたり、環境アセスメント士は重要な資格となっています。
きれいごとだけではない、本当の環境の仕事の担い手である環境アセスメント士にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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