グリーンジョブとは?
これからの時代に求められるグリーンでエシカルでサステナブルな仕事
グリーンジョブ(※)という言葉は聞いたことがあるでしょうか。日本ではあまり馴染みがないですよね?国際労働機関や国連環境計画が定義している言葉で既に2007年から使われています。
グリーンジョブとは端的には、ディーセントワーク(働きがい)の要件を満たし気候変動やSDGsといった世界が今まさに解決しなければならない優先的な社会課題に対してアプローチしていく仕事です。「エネルギーと原材料の効率改善」「温室効果ガスの排出制限」「廃棄物と汚染を最小限に抑制」「生態系の保護および復元」「気候変動の影響への適応支援」に貢献するものとして、国際労働機関<ILO(International Labour Organization:国際労働機関)>が定義しています。
https://www.ilo.org/global/topics/green-jobs/news/WCMS_220248/lang–en/index.htm
このグリーンジョブは、コロナによって、改めて世界で注目されるようになっています。コロナ後の新たな世界を創り出す必要不可欠なものとして国連は各国政府に対し、より持続可能でレジリエントかつ包摂的な社会を作り上げる 『より良い復興(ビルド・バック・ベター)』を遂げるよう呼びかけました。 https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/37817/
それに応えるように、欧州委員会は、新型コロナからの経済回復に際して、脱炭素化も同時に進めるべきとのイニシアティブ『グリーン・リカバリー』を提唱しました。フランス、ドイツでは、およそ60兆円の欧州復興プログラムへの共同提案を公表し、脱炭素化に取り組む企業への国家補助金の適用緩和や、セクター別グリーンリカバリー・ロードマップの策定がなされました。
イギリスでは、LGA(Local Government Association)が経済回復に向けて『グリーン・ジョブ』の雇用を促進していくべきと主張。今後10年で70万人、2050年までには100万人以上のグリーン・ジョブが創出されると試算し、国内での支援策を一層強化しました。
https://www.local.gov.uk/local-green-jobs-accelerating-sustainable-economic-recovery
グリーンジョブは、若年層のキャリアとセットで語られることが多く、それだけ、次世代を生きる若者のキャリアを語るうえで重要な仕事であり職種と考えられています。
国連環境計画 GEO-6 Youth Asia Pacific グリーンジョブを目指す若者のためのレポート
2022年6月にストックホルム+50が開催されました。これは1972年6月にストックホルムで初めて開催された国連人間環境会議の50周年を記念して行われたもので、そこでは若者とグリーンジョブという内容で国連担当者や行政、大学研究者、一般企業や人材会社の担当者が登壇し、グリーンジョブの現状や将来予測、普及拡大に向けた課題が議論されました。
グリーンジョブと若者をテーマとしたセッション 東京大学の石井理事も登壇
https://www.stockholm50.global/
現在の最新の研究報告
現在の最新の研究報告では、グリーンジョブは2050年までに再生可能エネルギー関連の仕事を中心に、10億人以上の雇用を生み出すと言われています。しかし、それだけの雇用を生み出せたとしても、現在の教育体制ではそこに従事するだけのスキルを持った人材を輩出できず気候変動対策を実現できる人材は圧倒的に不足しているそうです。
だからこそ、若者の基本的なスキルセットとしてグリーンジョブに関わるスキルが必要であり、現在働いている社会人にとっても、リカレントやリスキリングによるグリーンジョブのスキルを習得していくことが広く求められているんですね。
グリーンジョブをキーワードにした転職サイトは国内にはまだほとんどありませんが関連するサイトをご紹介しておきます。
社会人向け「環境ビジネス・サステナブルビジネス・グリーンジョブ」を扱う転職サイト
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