近年、サステナブル・環境分野は市場の拡大と共に求人ニーズが急増しています。しかし、「サステナブルな仕事=やりがい重視、年収はそれなり」というイメージは過去のものとなりました。同じ業界・職種でも、企業によって年収が200万円~300万円も異なることは珍しくありません。特別な資格や突出した経歴がなくても、転職先の選び方次第で大幅な年収アップを実現できるチャンスが広がっています。
この記事は、サステナビリティ企業の採用担当や転職エージェント、実際にサステナビリティコンサルタント、環境コンサルタント、企業のサステナ担当など環境関連の仕事に就いている方々からのインタビューや、公開されている求人情報から抽出した最新の高年収ランキングを紹介し、好待遇を手に入れるためのポイントをお伝えします。
ランキング算出方法
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サステナビリティコンサルタントの仕事とは?
ESGコンサルタント
主な担い手:
・監査法人系(デロイトトーマツ/EY/あずさ等)
・ESG専門ファームやSaaS企業
・一部は金融機関や投資家向け支援も
具体業務と実例:
・非財務開示支援:企業のサステナビリティ報告書・統合報告書の作成補助(TCFDやSASB対応含む)
・ESG評価・保証:GHG排出量や社外開示への第三者保証(例:トーマツでGHG保証)
・ESGスコア改善支援:CDPやMSCI格付けに向けたアクション推進
・M&Aデューデリジェンス:ESGリスクを含む合併・買収への助言
年収の目安:
・スタッフ~アソシエイト:約500~800万円(EY新日本の案件例)(cpa.mynavi.jp)
・シニア~マネージャー:700~1,100万円(トーマツ想定)(cocoo.inc)
・Director/パートナー:1,200万円~(保証や提案実績を担う上級層)
SX(Sustainability Transformation)コンサルタント
主な担い手:
・総合戦略ファーム(BCG, McKinsey, BAIN)
・大手会計・ITファーム(PwC, 日立コンサル, シグマクシスなど)
具体業務と実例:
・Purpose/ESG統合戦略設計:経営トップとの対話を通じてSDGsやESGを経営の中核に据える
・データ×DXを組み合わせた推進:ESG KPIのモニタリング体制構築やDX導入(例:PwCのTMT‑SX部門)
・組織改革・研修設計:持続可能性を実現する組織文化と人材育成の仕組み設計
・プロジェクト型実行支援:バリューチェーン改革や業務プロセス変革まで踏み込む
年収の目安:
・コンサルタント~シニア:600~1,200万円(日立、シグマクシス)
・プリンシパル/マネージャークラス:1,200~2,200万円(PwCでは最大2,200万円~)
・パートナー:2,500万円以上(BCG平均1,900万円~最高5,000万円)
脱炭素コンサルタント
主な担い手:
・気候専業ファームや再エネ専門のコンサルティング企業
・監査法人の脱炭素/GHG部門(EYのCCaSS等)
具体業務と実例:
・GHG排出量のベースライン設計(例:Scope1/2/3の算定支援)
・脱炭素・カーボン戦略の立案:SBT設定、再エネ導入プラン、インターナルカーボンプライシング導入
・シナリオ分析/TCFDモデル:リスク分析とストレステスト
・認証・保証取得支援:ISO14064/14068の取得サポート、第三者保証
年収の目安:
・スタッフ~マネージャー前:800~1,200万円(EYクラス)
・マネージャ~シニアマネージャー:1,200~1,600万円
・パートナー/パートナー補佐:2,000万円以上
業務内容&プレイヤー比較まとめ
項目 | ESGコンサル | SXコンサル | 脱炭素コンサル |
---|---|---|---|
担い手 | 監査法人系、ESGファーム | 戦略ファーム/IT系DX企業 | 脱炭素専門ファーム、監査法人 |
注力 分野 | 開示・保証・評価・M&A支援 | 経営レイヤーでのPurpose統合/組織改革 | 定量・技術ベースのGHG対応策 |
主な 業務 | レポート作成/保証/評価対策 | ESG統合戦略/DX実装/研修設計 | GHG算定/戦略設計/保証支援 |
年収 目安 | 500~1,200万円+α | 600~2,200万円+α | 800万円~1,600万円+α |
上層 年収 | Head/Partner~:1,500万円+α | PwC/BGCパートナーは数千万円~ | パートナー層で2,000万円~ |
順位 | 職種・企業例 | 仕事内容 | 年収レンジ(目安) |
---|---|---|---|
1 | サステナビリティ投資マネージャー(PE/証券/銀行)例:大手証券、外資PE | ESGインテグレーション/案件運用・顧客提案・デューデリストラクチャリング | 800~2,000万円以上 |
2 | ESGアナリスト(証券・調査部門)例:国内系証券会社 | レポート作成、非財務分析、投資家向け説明 | 750~1,400万円 |
3 | SX/サステ戦略コンサルタント例:BCG、PwC、電通総研 | Purpose設定・KPI設計・DX推進・組織変革支援 | 600~2,200万円以上 |
4 | 脱炭素コンサルタント(監査法人・専門ファーム) | GHG算定、再エネ計画、TCFD対応、ISO保証支援 | 800~1,600万円以上 |
5 | サステナビリティ経営コンサルタント例:デロイトトーマツ | ESG/開示支援・KPI設計・SDG活用支援 | 500~1,500万円 |
6 | サステナ戦略コンサルタント(金融グループなど) | 広告×ESG統合・生活者視点戦略支援 | 730~1,400万円 |
7 | 広告系企業サステナビリティ担当(電通など) | 自社SX推進・社内横断プログラム導入・IR/ESG広報 | 平均1,100万円 |
8 | 商社ビジネス開発/サステ投資部門(5大商社) | 再エネ・資源循環投資・JV戦略策定 | 800~1,500万円、リーダー級3,000万円 |
9 | ITベンチャー サステナ / 気候Tech EM | 自社プラットフォーム開発 ・PM・新規事業推進 | 700~1,600万円 |
10 | 建設系環境コンサルタント例:セントラルコンサル、建設技術研、八千代エンジニヤリング | インフラ環境アセス、技術設計、公官庁対応 | 平均400~500万円、大手700~900万円 |
サステナビリティ・環境の仕事【年収ランキングTOP10】
1位:サステナビリティ投資マネージャー(PE/証券/銀行)
主な担い手:大手証券、外資系PE(KKR、Carlyle)、商社系ファンド。
具体業務・実例:再生エネルギー債やグリーンボンドなどのESG金融商品を企画・販売。投資先企業の環境パフォーマンス分析、デューデリジェンスからEXITまで一気通貫で担当。投資家や顧客向けにROI+インパクト評価を提示。
年収目安:800〜2,000万円以上(成果報酬込み、投資案件規模・実績によって変動)
キャリアの特性:金融/経済と社会課題への両軸で価値創出。案件の多国籍性が強く、英語力・財務分析スキルが活きる。資産運用と実行両方に関わる希少なポジション。
魅力:「お金を通じた社会貢献」の実感と、高報酬・グローバル経験が両立する点が魅力。
2位:ESGアナリスト(証券・調査部門)
主な担い手:大手証券、R&Iなど格付け機関。
具体業務・実例:ESG評価手法を用いた企業のスコアリングや非財務開示評価。投資家や経営層向けにレポート作成やプレゼン、メディア対応も。気候変動や生物多様性、再エネ市場調査など幅広く担当。
年収目安:約750〜1,400万円
キャリアの特性:非財務情報のプロになれる、分析志向の人向け。金融リテラシーを活かし、市場動向にも深く関与するポジション。
魅力:スコアに基づき企業を評価し、投資判断や社会への影響を左右する役割の重さが魅力。
3位:SX/サステ戦略コンサルタント
主な担い手:外資戦略コンサルファーム、国内最大手シンクタンク 。
具体業務・実例:企業経営の中にESGを統合するPurpose策定、非財務KPI設計、DX・組織変革支援。事業部門横断プロジェクトや、バリューチェーン変革・自然資本対応など。
年収目安:600〜2,200万円以上
キャリアの特性:経営トップとの協働、ビジネス+改革両面を担う人材になれる。IT・DX知識も求められ、高度な横断スキルが育つ。
魅力:企業全体を変える推進力を持つポジションで、社会との接点が極めて強いのが魅力。
4位:脱炭素コンサルタント(監査法人・専門ファーム)
主な担い手:監査法人系コンサルティングファーム、気候テック専門ファーム。
具体業務・実例:排出量(Scope 1–3)算定、再エネ導入計画、TCFD対応、ストレステストやISO認証取得支援、サプライヤー調査など。
年収目安:800〜1,600万円、マネージャー以上で2,000万円超可能。
キャリアの特性:技術+政策+保証まで対応できる実行型。大企業から自治体まで相談相手。
魅力:数字と技術で気候変動に立ち向かい、戦略と実践を繋げる専門性が得られる。
5位:サステナビリティ経営コンサルタント
主な担い手:監査法人系コンサルティングファーム、会計系ファーム
具体業務・実例:ESG開示支援、統合報告書制作、マテリアリティ分析、KPI設計、サプライチェーン改革、生物多様性施策など。社内統制と開示制度の両立まで担う。
年収目安:600〜1,500万円 超
キャリアの特性:開示/管理系に強く、会計・監査・非財務の交差点を担える。
魅力:信頼と透明性を可視化する構造を作る一翼を担い、制度設計から実行まで経験可能。
6位:広告系企業サステナビリティ担当
主な担い手:大手広告
具体業務・実例:自社グループのSX体制構築、社内横断ESGプログラム、IR資料整備、CSR報告書発信、NGOや外部パートナー連携を進めるプロデューサー職。
年収目安:約1,100〜1,500万円
キャリアの特性:社内外の調整力やプロジェクト統括の経験が得られ、ガバナンス・発信・社外連携に強くなる。
魅力:巨大組織の内部起点でサステを推進し、企業文化の変革者として活動できる希有なポジション。
7位:サステナ戦略コンサルタント
主な担い手:広告・IR支援系コンサルファーム
具体業務・実例:生活者視点のESGキャンペーン設計、Purpose・ブランド戦略、DXやデータ活用、IR/広報との連携を図る。広告の手法をESG推進に転用。
年収目安:700〜1,300万円
キャリアの特性:マーケティングとサステナビリティが融合する独自軸。PR・ブランディングスキルが身につく。
魅力:「社会に響く広告」をサステナ視点で担うポジションで、外向け発信を通じて社会影響力も強い。
8位:商社ビジネス開発/サステ投資部門
主な担い手:5大商社等
具体業務・実例:再生エネLNG等のインフラ投資、資源循環プロジェクト企画、JV設立交渉、投資後の運営監視、ESG戦略に基づくリスク評価を併合。
年収目安:800〜1,500万円、部長クラスで2,000〜4,000万円
キャリアの特性:グローバル案件経験が得られ、戦略・実行・資金調達まで一気通貫。財務・事業・社会性の三位一体。
魅力:日本経済の根幹に関わる大型案件で、資源・エネルギー分野で社会的インパクトも極めて大きい。
9位:ITベンチャー サステナ/気候Tech EM
主な担い手:気候変動領域のスタートアップ(大阪・東京等)
具体業務・実例:GHG算定やプラットフォーム開発のPM、技術設計、開発チーム体制設計、経営層と連携したプロダクト戦略・成長ドライブ、IPO準備も視野。
年収目安:700〜1,600万円
キャリアの特性:技術・組織・ビジネスを三本柱で担いながら、柔軟かつ大きな裁量が得られる環境。
魅力:「テックで地球課題を解く」経験と、急成長ベンチャーでの意思決定スピードが得られる。
10位:建設系環境コンサルタント
主な担い手:建設コンサル大手、中小専門コンサル管理職級
具体業務と実例:
・インフラ・環境アセスメント:道路・ダム等の騒音・生態・水質調査
・技術設計・監理業務:工法設計・現場調整・官庁申請・施工管理
・官公庁・自治体案件対応:環境許認可手続き/基準適合支援
年収の目安:平均400~500万円、大手上位:セントラル950万円、建設技術研900万円、八千代800万円、中小専門所:250~650万円、平均450万円程度
キャリア特性・魅力:公共インフラの現場に根差して貢献。実務と技術のスキル蓄積がメイン。年収アップは大手や管理職昇進が鍵。
なぜ企業によって年収に差が生まれるのか
高年収の職種は特に、コンサルティングファーム・企業、大手グループ、メーカーに集中しています。その理由としては、資金力・収益力の違い、社会的責任のプレッシャー、専門スキルを持つ人材確保の競争が激化していることが挙げられます。
特に、コンサルタント(サステナビリティ・SX・脱炭素)は成果主義を徹底しており、実績次第で大幅な給与アップも狙えます。多くの企業にてグローバル対応やESG・気候変動対策が重要な経営課題となっており、適切なスキルを持つ人材には高い報酬を用意しています。
特別な経歴がなくても200万円~300万円アップが可能
意外に感じるかもしれませんが、突出した経歴や特別な資格がなくても転職時に年収を大幅にアップさせることは可能です。例えば、同じ「環境コンサルタント」という職種でも、地方の中小企業では年収500万円前後が一般的ですが、首都圏や大手外資コンサルファームに転職すれば、年収が700万円~900万円に跳ね上がります。
そのカギとなるのは、求人情報をいち早くキャッチすること。非公開求人を含め、最新情報を得るには転職エージェントを利用するのが確実です。
年収アップを狙うための転職エージェント活用術
好待遇の求人は公開求人には出回りにくく、エージェントが持つ非公開求人が中心です。また、転職エージェントは企業との年収交渉もサポートしてくれますので、特に年収アップを狙う方はエージェントを使わない手はありません。
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同じく、コンサル業界特化MyVIsionや金融系コトラ、コンサルファームに強いAXIS Agent、もし理系出身ならアカリクキャリアも併用して登録面談を済ませて情報を獲得していきましょう
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まとめ
サステナブル・環境の分野では今後ますます人材ニーズが増え、高待遇ポジションも増加します。同業界内でも企業選び次第で年収が数百万円単位で変わる時代となりました。特別な資格がなくても諦める必要はありません。転職エージェントをうまく活用し、自分の市場価値を最大化してくれる企業を見つけましょう。
この機会に一度、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか?きっと想像以上の待遇があなたを待っているはずです。