【40代以上】サステナブルなキャリア事例・相談事例

相談事例40代以上

サステナブルな仕事って具体的にどんなものがあって、どんな人が働いているんだろう。関心を持たれた方は本記事をご覧ください。これまで実際にキャリアカウンセリングを行った方たちのキャリア事例や悩み、ご相談事を、本人のご了解を得て匿名で掲載しています。

40代以上では主に社会人歴15年以上の方々のキャリア事例やご相談事例を掲載しています。現職に至るまでの経緯、そして今の仕事内容をまとめています。Caseによってはキャリア相談も併せて載せています。40代は管理職となって仕事内容が大きく変わったり、定年が近づきセカンドキャリアを考えるようになったり、子育てや介護など、自分以外の家族の影響を大きく受ける悩み多き世代でもありますので、仕事も含めたサステナブルなワークとライフの関係についても考える参考にお役立てください。

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Case1. 元国際協力機関職員 子育てでブランクあり 

プロフィール画像

大学時代
学歴 :私立大学 修士
専攻 :国際開発学

悩み

もともと国際的な舞台で働きたいという思いが強く、海外大学にも留学して国際開発学や人権問題について学びました。希望していた国際協力の仕事につくことができ、現地支援や円借款取引などにも携わりました。ただ、当時は現地国に行くことが仕事も評価も全てで子育てと両立することはとてもできず退職しました。その後10年以上ブランクが空いてしまいましたが、SDGsやサステナブルというワードを聴くたびに、もう一度国際協力や社会課題に向き合って仕事がしたいと思うようになりました。ただブランクがあまりに長すぎて当時の経験がどれだけ通用するのか不安ですし、まだ残業対応ができる状況でもないので就職に二の足を踏んでしまいます。

あおみ
あおみ

counselingメモ

国際協力の現場では「行ってなんぼ」というところが少なからずありますよね。ただご経験されてきたことをスキルとして棚卸した際に、語学力はもちろん報告書作成やプロジェクトマネジメント、行政対応など宝の山のように見えます。ブランクのことや残業対応の不安ということであれば、シンクタンクやコンサルタント会社のリサーチ職などのポジションから復帰を目指されてみてはいかがでしょうか。派遣会社を利用することで仕事探しの手間も省略できますよ。

Case2. 国内メーカーCSOの秘書

今の仕事
国内メーカーCSO
秘書
大学時代
学歴 :海外大学 学士
専攻 :経済学

今の仕事
国内メーカーのCSO(チーフサステナビリティオフィサー)の秘書
日本的風土が色濃く残る機械メーカーで、ESG経営や脱炭素が株主や機関投資家から強く要請されたことがきっかけで立ち上がった新役職CSO(チーフサステナビリティオフィサー)の役員秘書として働いています。CSOといっても社内的にはまだまだ手探りのところばかりで、中期経営計画の策定に伴って事業と製品のマテリアリティから始まり、ESGリスク管理など外部コンサルタントも多く活用しながら秘書の立場で言うのも憚られますが二人三脚で一から体制構築に奔走しています。環境やCSRを所管する部門は別でありますが、経営層に近い立場だからこそ全社的なリスクの把握もでき、外部の優秀な識者の方との出会いにも恵まれると思いますので、タフですが刺激的な毎日を送っています。

悩み
役員と一蓮托生な秘書の宿命
もともと外資系企業で役員秘書として働き、役員の交代が自分の転職でもありました。今の役員はCTO(チーフテクニカルオフィサー)の時代からの付き合いで一番長く仕事をしています。役員もそう長くはないので、また転職が必要になりそうですが、自分自身の年齢も考慮すると秘書としての転職はそろそろ限界かも、と感じています。秘書ではない自分には何ができるのだろうと初めて考えた時、不安を感じた一方で何か希望のようなものも感じています。でもやっぱり不安の方が大きくて誰かに相談したくなりました。

あおみ
あおみ

counselingメモ
慣れ親しんだ仕事から離れるとき、誰もが強い不安に駆られるものです。希望が見えるということは、これまでの蓄積がご自身の中で何か形を成しつつあるのを感じているのでしょう。相談者さんの場合、自ら勉強して手も動かして、役員の方と共に様々な経営課題に取り組んできた実績と強い自負をお持ちだと感じました。過去にはCFOやCHROの秘書歴があり、今回のCSOも含めると、もはや経営者目線であらゆるESGリスクが見えるのではないでしょうか。秘書の年齢は分かりませんが、企業規模に拘らないならば経営企画が最も近いでしょう。あとは経営領域のコンサルタントへのチャレンジもご経験的には十分あり得ます。これからが楽しみですね。

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Case3. 外資メーカー サステナブル調達

今の仕事
外資メーカー
サステナブル調達
大学時代
学歴 :国立大学 修士
専攻 :環境学

今の仕事
外資系メーカーのサステナブル調達担当

最近海外企業グループとなった機械メーカーで購買管理部門で勤務しています。欧州やアジアの貿易に関わる環境やサステナビリティに関わる各種規制への対応が中心です。化学物質管理に関する規制はどんどん厳しくなっていて、委託先とも綿密に連携して最新の通関や検疫制度に対応していかないと、突然行政処分を受けて取引が停止になってしまうこともあります。オンラインや現地に直接出向いて原料や品質管理の相談などすることもありますが、最近はサステナビリティが関わらない出来事は無いと感じます。うちは環境対応を購買部門が兼ねていることもあってSDGsの取組も自分が受け持って地域ステークホルダーや社員との交流企画などもやっています。サステナビリティについてハード、ソフト両面で対応できる人材になっていきたいですね。

悩み
コンサルタントとの比較

調査の仕事がやりたくて新卒で最初は小規模なシンクタンクに勤めていましたが、机上の空論のように感じることが多かったので、実務の現場に入るため現職を希望して入社しました。今の会社はサステナビリティの対応も含めて外部のコンサルタントを良く活用するのですが、社内ではなかなか通らない企画もコンサルの提案だとすんなり役員会でも承認される状況にやや不満を感じる部分があります。提案の内容や質は変わらないように思うのですが。これもある意味で現場だからこその悩みと言えるので自分が臨んだことではありますが、少し悔しいですね。

あおみ
あおみ

counselingメモ
ハード面の対応も国ごとやISOの新企画もできたり忙しい時代になりましたね。SDGsやサステナビリティに関しては、法制度化はしていないけど影響力が広まっていますので両面での対応はとても大変だと思いますが、これからの時代の担当者に不可欠な能力と言えそうですね。
コンサルに対する不満と言うかくやしさ、良く分かります!ただ承認する役員側もリスクヘッジの都合もあるので、コンサルを上手く活用して会社を良い方向に動かしていくことが社内担当に必須のスキルですので、こちらも頑張って欲しいです!

Case4. フリーランス 開発コンサルタント(50代)

今の仕事
フリーランス
開発コンサルタント
大学時代
学歴 :海外大学 修士
専攻 :国際開発学

今の仕事
国際協力に関する調査・研究・人材の育成

商社で海外のプロジェクトに携わり国際協力事業に強い関心を持ったことがきっかけで海外に留学して国際開発学を修めました。帰国後は国際協力事業を行う財団に就職し多数のODA案件に携わりました。特に島嶼国の電力や水、廃棄物施設などの生活に必須となるインフラ開発の環境社会配慮に長く携わり、年単位で現地で生活することもありました。その他に、自社のSDGsへの取組を強化する目的で国際協力を関連付けたいという希望も最近では多く寄せられるようになり、民間企業のSDGsビジネス支援ということで企業と現地に同行し事業化に関するアドバイスも行っています。

組織人とフリーランス
現在は財団を辞めてフリーランスの開発コンサルタントとして活動しています。年齢的に管理職として所内の管理業務の比重がどんどん増えてしまい、現場に行くことがほとんどなくなってしまったためストレスが蓄積していく日々でした。これでは一念発起して転職した意味がないじゃないかと思い、家族も何とか説得して退職しました。前の職場との関係は良好で、一開発コンサルとしてフィージビリティスタディ調査やプロジェクトマネジメントに関する人材育成や研修講師を依頼してもらえています。生活面ではやや不安定になってしまいましたが、十数年の残りの仕事人生を考えたら悔いはありません。

あおみ
あおみ

counselingメモ
管理職に関心が持てない、他にやりたいことが社内にあるんだ、という想いはあっても実際に行動に移せる人はごくごく僅かです。特にコンサルタントの方には多いですね。
大きな決断には勢いや瞬発力も大切ですが、ご家族への丁寧なコミュニケーションと、焦らず時間を掛けて職場にも働きかけられたことでフリーランスとしてベストな形を勝ち取られたケースだと思います。

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Case5. メガソーラー発電所の運転管理

今の仕事
メガソーラー発電所
運転管理
大学時代
学歴 :国公立大学 学士
専攻 :工学部機械工学科

今の仕事
全国のメガソーラー設備の運転管理

電気主任技術者として全国各地に赴任して太陽光発電施設の運転管理(O&M)をしています。設備内を常に監視、計測しトラブルの対応や発電効率の改善、設備自体の省エネルギーに関わる業務をしています。地域ごとに発生するトラブルにも種類があって、潮風で発電能力が落ちたり、受変電盤が結露してカビが発生したり、設備以外でも周辺地の下草が異常に発生したり、意外とやることは多いです。この辺りは再生可能エネルギならではの自然との共生と言えるのかなと。

まだまだ成長したい。
技術者として特高受電設備の故障トラブルやエネルギー管理士資格として工場全体の中期保全計画を立てたり、様々経験してきました。その甲斐もあってか、今の仕事は技術的には何ら問題ないというか寧ろ緩すぎるくらいに感じています。もっと年配になってからのセカンドキャリアとしては自然に恵まれた地域が多いので最高だなと思うのですが、自分としてはまだまだ新しいことにチャレンジして成長していきたいです。再生可能エネルギー自体は将来性もありますし、持続可能な社会をつくるうえで大切だと思うので関わっていきたい思いはあります。

あおみ
あおみ

counselingメモ
電気技術者として広範なご経歴を積みながら、まだ成長を目指される姿勢に敬服します。
再生可能エネルギーに関わる知見はエンジニアリングの世界だけでなく、まちづくり系のコンサルティング会社や金融系で新たに風力など大規模な再エネ事業開発を目指すグループでも求められていると聞きます。世界的に見てもエネルギーのトランジションを進めていくうえで電気系のバックグラウンドを持ったグリーンエンジニアのニーズは拡大中ですので引く手あまたであることは間違いありません。専門のエージェントを活用して新しいチャレンジを成功させてください。

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