日経新聞やWEBメディアから、キャリアに役立つサステナブルな経済ニュースをまとめて解説付きでご紹介しています。Instagramでも動画で毎朝配信中です。通勤、通学前の朝の情報収集にお役立てください。
①深まるアフリカの食料不足 侵攻で肥料価格急騰
・東アフリカのケニア西部ブンゴマでトウモロコシを栽培する農家は、肥料価格の急騰で大打撃を受けている。 ・窒素肥料は、天然ガスを原料とし、作物に与えられる栄養素のうち最大で３分の２を占める。その価格は、ロシアによるウクライナ侵攻開始後の天然ガスの値上がりとともに高騰している。欧州向け天然ガスの主要供給国で、世界の肥料供給の約15％を占めるロシアへの経済制裁が始まって以降、窒素肥料は過去最高値をつけ、品薄になっている。 ・世界の農家は値上がりした肥料の使用量を減らしているため、食料生産の減少と世界規模の食料危機の深刻化が危ぶまれている。専門家は、世界で最も貧しい大陸にいるアフリカの小規模農家が最も打撃を被る。 ・アフリカ諸国は一般的に他の地域よりも肥料の使用量が少ないが、大半の国が国内での食料生産に依存しているために肥料高の影響は重くなるという。カメルーンなど、いつくかの国がロシア産肥料の輸入に頼っている。 ・アフリカにとって、もともと使用量の少ない肥料がなくなると作物栽培に極端な影響が生じ、その結果、このところの干ばつで広がっている食料不足が悪化することになる （8/24 日経新聞）
あおみ
肥料が使えない農家が増え終了は減少しアフリカ各国のＧＤＰも減少。数%に及ぶ人口が新たに貧困ライン以下の生活に転落する見通し。
②家畜由来のバイオガスで脱炭素、エア・ウォーター北海道
・産業ガス大手エア・ウォーターの完全子会社、エア・ウォーター北海道（札幌市）は酪農が盛んな北海道の自治体と協業し、家畜由来のバイオガス活用の実証実験を増やしている。小規模の酪農家を対象にしたバイオガスプラントの拡販も視野に入れる。北海道の脱炭素環境づくりに一役を買う。 ・同社の強みは家畜ふん尿から出るバイオガスの利活用だ。エア・ウォーター北海道は2000年に新会社を設立し、バイオガス関連事業に乗り出した。バイオガスプラントの計画や設計、分析などのバイオガス利活用を一気通貫で担っており、悪臭問題など地域の課題解決にも知見がある。 ・経済産業省が12年に固定価格買い取り制度（FIT）を導入し、バイオガス利活用に転機が訪れた。送配電事業者が再生可能エネルギーにより発電した電気を一定期間、決まった価格で買い取ることを国が約束したからだ。 ・ガス精製で培った技術を生かし、酪農が盛んな十勝地方の鹿追町や大樹町、北部の興部町とバイオガス関連の実証実験を進めている。今後も酪農地域で自治体との協業を深めていくという。 （8/24 日経新聞)
あおみ
バイオガスは牛のふん尿などの発酵によって発生する再生可能エネルギー。化石燃料の代替源として注目。成分のうち約4割がCO2で、約6割がメタンとほぼ温暖化ガス
➂水上供給網に気候リスク 渇水、航行を阻害
・欧州の重要な水路であるドナウ川の水位が下がった。流域の東欧諸国は貨物を運ぶはしけ船が航行できるように、川底の土砂を除去する浚渫（しゅんせつ）を余儀なくされた。 ・ドイツなどを流れるライン川では、航行の要衝において、水位が多くの船舶にとって操業が経済的に見合わない水準まで低下した。 ・国連の気候変動に関する政府間パネル（IPCC）は、気候変動に伴い干ばつや洪水、激しい嵐といった異常気象が今後はより頻繁に発生し、規模も大きくなると明言している。そのため食料・製品の生産、製造、流通への世界的な影響は、途方に暮れるほど広範囲に及びかつ、複雑になる。 ・企業がまず懸念することは、高まる気候リスクに自社やサプライヤーのどの工場がさらされているかという点だ。各国政府はもっぱら食料供給に対する脅威に注目している。 だが、今年の干ばつは気候変動が激しくなるに従い、国際貿易の水上輸送インフラそのものが干上がったり、閉鎖されたりする危険性があることも浮き彫りにした。 ・国際貿易の約8割はどこかの段階で船によって運ばれており、海上輸送の貿易量は20年までの30年間で3倍近くに膨らんだ。また気候変動以外の変化によっても、貿易システムは混乱に陥りやすくなっている。船舶は徐々に大型化し、問題が発生した場合の救援が困難かつ高コストになった。 (8/23 日経新聞）
あおみ
輸送への障害は企業のサプライチェーンに影響。簡素化すれば一時的に影響は減るが、長期的に気候リスクが集中する恐れが出るため判断できない。
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