8月26日 サステナブル経済ニュース「ロシア制裁のブーメラン直撃 ドイツ、脱原発を延期か 他」

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ロシア制裁のブーメラン直撃 ドイツ、脱原発を延期か

・コンサルティング大手の米マッキンゼー・アンド・カンパニーが6月、1000人以上のドイツ国民を対象に「最も懸念すること」を聞いたところ、48%が「急激なインフレ」と回答。73%は節約のためにすでに消費行動を変えているという。4月には34%が「ウクライナ侵攻」と答えたが、6月にはその割合は24%にとどまった。「新型コロナウイルス」と答えたのは4%程度だ。
・西側諸国は国際送金システムである国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアを締め出し、ロシアの中央銀行の海外資産を凍結するなど、ロシアに様々な経済制裁を科している。ドイツはロシアとの間を結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」を建設したものの、稼働を凍結した。
・こうした制裁がブーメランのようにドイツに返ってきている。ロシア国営ガスプロムがドイツと結ぶ主要パイプライン 「ノルドストリーム」の供給量を6月中旬、従来計画比で6割減らした。そのため、8月中旬には、欧州天然ガスの指標価格であるオランダTTF(9月物)が1メガワット時当たり250ユーロと、1年前の5倍以上の価格になっている。
・こうした状況の中で、ドイツ政府はなりふり構わぬ対策を打ち出している。8月18日、10月以降にガスの付加価値税(VAT)を現行の19%から7%に引き下げると発表した。ドイツ政府は上述したように10月からガス供給業者に大幅な価格転嫁を認めるため、消費者の負担が急増する。その負担を軽減するためにVATの軽減を決めた。
(8/26 日経新聞)
あおみ
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なりふり構わずの状況に陥るドイツ。脱原発を支持の世論も、脱原発の先延ばしに大きく傾いている。

気候変動や人権、リスクを稼ぐ力に SX実践の経産省報告書

・経済産業省は企業統治改革に関する報告書「伊藤レポート」の改訂版をまとめた。近く公表し、気候変動や人権問題、経済安全保障などの経営リスクを企業の稼ぐ力に変える改革を呼びかける。リスクに一時的に対応するだけでなく、変化を取り入れた長期計画をつくることで企業価値を高めることを促す。
・川崎重工業が水素を軸としたクリーンエネルギー事業に取り組むなど脱炭素化に合わせた改革が企業の間で広がり始めた。報告書では経営・事業改革「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」を呼びかける。経産省は実践方法のアイデアをまとめたガイドラインも同時に公表する。
・報告書は伊藤邦雄・一橋大学CFO教育研究センター長を座長とする有識者会議での議論をもとにまとめた。伊藤氏らが2014年、8%以上の自己資本利益率(ROE)を求めた報告書は「伊藤レポート」として注目されており、今回はその改訂版となる。
(8/26 日経新聞)
あおみ
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社会と企業がともに持続できるようにする経営・事業改革「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」も注目ワードです。

➂女性科学者は沖縄から巣立つ 沖縄科技大、比率5割目標

・科学に興味を抱く機会に恵まれなかったり、キャリアや育児の障壁から科学者を諦めたりする女性は多い。沖縄科技大(OIST)は研究者と学生の女性比率を5割にするサポートを始めた。
もともと国際色豊かな大学だが、女性比率は学生は40%、教員は18%にとどまる。日本の大学の中では多いが、世界で見ると低い。OISTは21年、研究者・学生の半数を女性にする目標を掲げた。まずは女性教員の比率を3割にしようと動き出した。
「女性が科学者としてキャリアアップしていくためには『タイムマネジメント』が重要だ」。OISTの女性科学者の1人であるエイミー・シェン教授は指摘する。特に結婚、出産、育児、介護など人生で起こりうる出来事に研究と同時に対処しなければならない。ワークライフバランスを保つには「1人では難しいため、大学や研究機関が良いサポートを提供すべきだ」と話す。
・実力次第で若手のうちから研究チームを主導でき、活躍の機会を得られるようにした。学生は興味のある分野や師事したい教員を自由に選べる。年齢の近い教員から指導を受け、ロールモデルにすることが可能だ。女性の学生が女性教員を選ぶことも多い。生活とのバランスをみながら研究活動ができる。
・校内の保育所も工夫を凝らす。研究棟と居住地に隣接する保育所は生後2カ月の乳児から利用でき、日本語と英語の2言語で教育される。
海外から子どもを連れてくる研究者は安心して研究に集中できる。海外留学など子どもの将来の選択肢も広がる。研究の世界の公用語は英語で、科学者には習得が必須だ。
(8/26 日経新聞)
あおみ
あおみ

アカデミアの世界企業以上に男性優位の実態もあった。保育所の併設や女性限定の教員募集など研究の現場がようやく変わろうとしている。

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