【11/21~11/27】サステナ経済トレンド「ESG投資、次は「自然資本」 森林保護で温暖化ガス吸収 他」

日経新聞やWEBメディアから、これだけは押さえておきたいサステナブルな経済ニュース3本を選び、概要と解説付きでご紹介しています。Instagramでも動画配信中です。一週間の振り返りにお役立てください。

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ESG投資、次は「自然資本」 森林保護で温暖化ガス吸収

Summary 2022/11/25 日本経済新聞

投資を通じて森林や水資源など「自然資本」の保護を目指す動きが広がり始めた。米モーニングスター・ダイレクトによると、自然資本や生態系の保護に力を入れる企業に投資するファンドは今年に入り少なくとも63本が新たに設定され、既に昨年通年の2倍に達した。自然資本の保護はESG(環境・社会・企業統治)投資で温暖化ガス抑制に続く注目テーマ。森林保護で温暖化ガスの吸収源を確保し、自然災害や食料問題の改善につなげる。投資マネーが集まる背景に自然資本に対する認識の高まりがある。自然資本は社会や企業に対して食料や水、鉱物資源、石油などを提供している。これらの機能を保護・回復することは未来の人類の富を守ることになるとの考え方だ。また気候変動と裏表の関係にあり、温暖化ガスの吸収や気候変動による自然災害の軽減にもつながる。これまでの気候変動対策は温暖化ガスの排出抑制が中心であり、自然資本は手薄だった。

あおみ
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今月のCOP27でも自然資本について議論され、国際的イニシアチブ「ENACT」が発足。議長国エジプトと国際自然保護連合(IUCN)が主導し、EUも参加に意欲を示している。これまでのような過度な開発を避けたり傷ついた自然を保護したりすることを通じ、世界の土地24億ヘクタールの保全を目指す。

火力発電排出枠に課金 カーボンプライシングで経産省案

Summary 2022/11/24 日本経済新聞

経済産業省はCO2の排出に負担を求める「カーボンプライシング」について火力発電への導入を検討。企業間でCO2排出量を取引する市場に参加する大手電力会社などに2031年度以降、負担を求めると想定。電力会社などが払うお金は政府による脱炭素支援の財源とする。一連の施策で温暖化ガスの排出削減を促す。政府は50年に温暖化ガス排出量を実質ゼロとするため、企業による脱炭素投資を支援する新たな国債「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債(仮称)」を発行して計20兆円規模を集める予定だ。カーボンプライシングはGX債の償還財源となる。

あおみ
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同日に経産省は化石燃料の輸入企業などに導入する案も提示し、電力・ガス・石油元売り・商社などにもCO2の排出源となる化石燃料からの転換を促す。ただ、電力部門の脱炭素化が進んでも、鉄鋼や化学などその他の排出量の多い産業でどのように排出削減を促すか課題は残る。

EUの排出量取引は大規模に排出する企業などに参加を義務付ける規制として制度化している。フランスや英国では参加義務のない企業を対象に炭素税を課して公平性を高めている。日本の排出量取引は自主参加のため、排出量が多いのに市場に参加しないといった抜け道もあり、賦課金の導入が欠かせない。

社外取締役の4割女性に EU、上場企業に義務化

Summary 2022/11/23 日本経済新聞

EU議会は22日、域内の上場企業に一定の比率で女性の取締役を登用することを事実上義務付ける法案を正式に採択し近く施行される。2026年6月末までに、日常の業務執行に携わらない社外の取締役の少なくとも40%か、全取締役の33%を女性が占める必要がある。基準を達成できなかった企業はその理由と対策を公表する必要があるほか、制裁金が科される可能性もある。従業員250人未満の中小企業は適用外。

あおみ
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欧州委は12年に提案していが、消極的な国もあり協議は長く停滞していた。今年に入って主要国のフランスやドイツが積極姿勢を示したことで前進。21年時点で大手上場企業の女性取締役の比率は30.6%。トップはフランスの45.3%、最下位はキプロスの8.5%まで加盟国の間で大きな差がある。先進的なEUでも実現には10年以上の時間を要するほどジェンダーの取り組みはハードルが高い。

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