8月29日 サステナブル経済ニュース「いま再び「三方よし」、近江商人の邸宅が宿泊研修施設に 他」

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いま再び「三方よし」、近江商人の邸宅が宿泊研修施設に

・売り手よし、買い手よし、世間よしで有名な近江商人の「三方よし」精神を見直す動きが、関西企業や経済団体の間で広がっている。近江商人のふるさと、滋賀県東近江市に9月1日、その商売哲学を体験できる宿泊施設が開業する。SDGs(持続可能な開発目標)に通ずる精神を改めて学び、現代風に解釈して事業方針などに掲げる動きも目立ってきた。
・施設は東近江市と古民家などの再生を手掛けるNOTE(兵庫県丹波篠山市)が出資して設立した会社、いろは(滋賀県東近江市)が運営。NOTEの藤原岳史社長は「本場で体験し、直接『三方よし』を感じられることが付加価値になる」と話す。最大10人まで利用可能な1棟貸しで利用料金は8万円。1人につき1万2千円のサービス料(朝食付き、いずれも税抜き)がかかる。25日から予約の受け付けを始めた。
・日本の商業の源流をつくった近江商人の精神を見直す動きが広がっている。本業を通じた社会課題解決や三方よしなどを学ぶ一般社団法人、経営実践研究会(大阪市)は16年から中小経営者が集まって本格的に活動を始めた。会員数は700社を超え、関西企業は3割強を占める。「月60社くらいのペースで増えていて、今年中には1千社ほどになりそう」
(8/29 日経新聞)
あおみ
あおみ

近江商人がルーツの伊藤忠商事もグループの企業理念を「三方よし」に改訂。自社や現代版にアレンジして「近江商人」を掲げる企業は多い。

欧州干ばつ「500年で最悪」 電力、食糧に影響も

・記録的な高温が続く欧州で、約半分の地域が干ばつに見舞われている。欧州連合(EU)欧州委員会は「少なくとも過去500年で最悪の状況」と懸念を表明。ウクライナ侵攻に伴う対ロシア制裁で今冬のエネルギー供給が危ぶまれる中、電力分野を中心に影響が広がる恐れがある。
・欧州委の最新の報告書によると、欧州の47%で土壌の水分が不足し、17%では農作物に「悪影響が出ている」状態。干ばつは今月上旬時点でも拡大しており、地中海沿岸などでは通常より乾燥した天候が11月まで続く見通しだ。
・少雨や熱波は、スペインやポルトガルなどで大規模な山火事を引き起こしたほか、欧州全域で河川の水位低下を招いている。報告書は、イタリアやフランス南西部の事例を基に「貯水量の減少が水力発電やその他発電所の冷却システムに深刻な影響を与えている」と説明。
・農作物への影響に関しては、特にトウモロコシの収穫量が過去5年平均と比べ16%、大豆は15%それぞれ減少すると推計した。
ガブリエル欧州委員(イノベーション・研究・文化・教育・青少年担当)は「気候変動が毎年顕著になっていることは疑いない」との認識を示し、対策を急ぐ考えを強調した。
(8/29 日経新聞)
あおみ
あおみ

水力発電や農業への影響だけでなく、水位の低下で船舶の積載量が低下。海運が影響を受けて経済全体に大ダメージ。EUも課題山積。

➂高排出企業への投資、脱炭素のジレンマ 投資家負担重く

・機関投資家が温暖化ガス排出量の多い企業に投資できなくなる――。そんな懸念が浮上している。鉄鋼や化学などの高排出企業に投資すれば、自らの排出削減目標を達成できないリスクがあるためだ。ただ、これらの投資が滞れば、本来の目的である脱炭素が進まなくなる。投資家の排出量をどう算出するべきか。仕組みの見直しが欠かせない。
・普及し始めた移行債だが、最近「多くの投資家が悩んでいる」(第一生命保険の本多勇一責任投資企画室長)という。原因は機関投資家が投資すると自らに排出量が課される国際的なルールだ。出資や融資の額に応じて、企業の排出量に一定割合(企業価値に占める投融資額の割合)をかけた分が投資家の排出量となる。その排出量の算定に課題がある。投資効果は考慮されず、現在の企業の排出量で負担が決まる。移行債だけでなく出資や融資を含め、高排出企業にカネを出せば出すほど排出負担は増えてしまう。排出量を減らすには、より低炭素の企業に投資するしかない。
・現実的な対策は排出量の算定方法を改めることだろう。注目は、排出量の算定方法を作る金融機関の国際組織「PCAF」だ。GFANZとも連携し、その算定方法は世界標準になっている。環境債など資金使途が限定されているESG(環境・社会・企業統治)債ならば、排出量の対象を投資先事業に限定する、との見直し案が出ている。
(8/29 日経新聞)
あおみ
あおみ

もともと金融の脱炭素は太陽光な風力発電への投資で一気に脱炭素を進めることが中心だったため、移行債などの最近の市場の流れに必ずしもマッチしていない。

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